紅型ができるまで
カタチキの紅型はこうして生まれます。
試行錯誤すること
紅型にはその時代に生きた人々の歴史や仕事の積み重ねがあり、私達は現代(いま)ここに立っています。
先人たちが繰り返してきた仕事を現代でもできることは大きな喜びです。
工程
図案
モチーフをスケッチし、紅型として染められるように図案化します。
型彫り
シーグ(小刀)を使いルクジュウ(島豆腐を乾燥させ固めたもの)の上で型紙を彫っていきます。
その後紗張りをします。( 糊を置く際に型が動かないようにするため)型置き(糊置き)
型紙を使い糊を置いていきます。糊は工房で作っていて、材料はもち粉、糠、塩を使います。湿度にあわせ塩加減を調整していきます。
工程3 に入る前に
糊作り紅型工程には欠かせない糊、カタチキでは手作りで糊を作っています。
今は手軽に入る材料も、かつては貴重な材料でした。豆引き
型を置き終わった生地に、大豆の汁から出来た豆汁と言う液を引きます。生地にタンパク質が付着し、顔料の定着をよくします。
色挿し
色挿しには鉱物性の顔料をペースト状に練り、それを豆汁で溶いて色作りをします。豆 汁は大豆を使いますので日が経つと腐ります。色を作ったら、その日のうちでなるべく使い切ります。もって2日ほどです。
- 配色
- まず、1本のハケで色を挿していきます
- 二度刷り
- 配色を終えた色の上に、また同じ色を重ね、刷毛で生地に色を刷り込んでいきます。筆は2本持ち、1本目で色をつけ、その後すぐに2本目で刷り込んでいきます。生地によって擦る強弱が変わります。
- 豆汁作り
- 紅型の色つくりには豆汁を使います。
(食用大豆を使います。) 一晩、大豆を水に浸します。皮をむいて、すりおろしていきます。水をたしながら、すりすり ガーゼでこして豆汁をつくります。(豆腐つくりと一緒ですね。)
隈取り
色挿しが終わった柄にぼかしを入れます。立体感が出て色が引き締まります。
蒸し
顔料を定着させるために、蒸気をあてます。
水元
糊のついた生地を水に浸して糊をふやかし、ゆっくり慎重に糊を落とします。生地と生地がこすれて色がうつらないように気をつけるので目が離せません。色が出てくる楽しみがあり、好きな工程です。
糊ふせ(びんうしー)
染めたくない部分に、糊をのせていきます。白の出しかたにセンスが光ます。
地染め
糊ふせした糊が乾いたらハケで全体に色(染料)を引きます。ムラが出ないように均一に染め上げます。
蒸し
地染め完了後、今度は地染めで引いた染料を定着させるために蒸し器にかけます。蒸したら乾燥させます。
水元
蒸しが終わったらもう一度水元を行います。柄部分を伏せている糊を落として完成です。最後まで気を抜かずに仕上げます!!
完成
すべて手作業でのものづくり。
ひとつとして同じものはありません。